第217回通常国会が、1月24日から始まりました。会期は、6月22日までです。
今回の通常国会は、石破茂政権初の2025年度一般会計予算を含む内閣提出議案が衆参両院で審議されます。
自民党と公明党の賛成多数で成立が困難なために国民民主党や日本維新の会との間で議員提案による法案や予算案の修正で成立できるような動きを見せています。
国民民主党は、自民党と公明党、日本維新の会の間で所得税課税対象の年収上限引き上げ旨の所得税法改定の議案提案を国会内で協議します。しかし、所得制限の額の違いが大きいために合意が得られていません。
日本維新の会は、国会内で自民党と公明党の間で高校授業料の軽減と社会保険引き下げの議員提案の協議を進めています。しかし、自民党や日本維新の会の会派内で異論が続出して議員提案が実現できていません。
石破茂首相の施政方針演説が1月24日に衆参両院で明らかにしました。同演説に対する代表質問は、1月27日と28日の両日に衆議院で、同月28日と29日の両日に参議院で行われました。衆議院予算委員会が、1月30日から予算案の全般的質疑や集中審議に入っています。
内閣提出の2025年度一般会計予算は、1,155,415億円(昨年度比29,698億円増) 規模です。歳入の内訳は、①税収(所得税、消費税、法人税、相続税、ガソリン税)784,400億円、②税外収入84,525億円、③建設公債67,910億円、④特例公債218,580億円です。
歳出の内訳は、①社会保障382,778億円、②防衛86,691億円、③公共事業60,858億円、④文教及び科学振興55,496億円、⑤その他(食料、エネルギー、経済、中小企業、恩給)96630億円、⑤地方交付税・地方交付金等190,784億円、⑥国債債務償還費176,693億円、⑦利払費等105,485億円です。
予算の特徴は、①薬価の国民負担軽減、②高額医療費の負担増と70歳以上の負担上限見直し、③高校の教育費軽減、④育児休暇の給付充実、⑤教職員の業務負担軽減と処遇改善、⑥国土強靭化の名の防災対策、⑦上下水道の耐震化と法面対策、⑧台風や線状降水帯予測、⑨東日本大震災の帰還・移住、⑩能登半島の地震。豪雨対策のための防災庁の設置、⑪闇バイト対策や防犯カメラ設置、⑫自衛隊員の処遇改善です。