レーニンは、労働運動に関する纏まった著作を数多く残しています。レーニンがまず労働組合の経済闘争における役割や意義を明らかにしています。レーニンは、帝政のもとでも工場における労働者が日ごろばらばらで競争しているように見ても労働者の団結と闘争の必然性を説明しています。
「大規模機械制工業だけが、このような闘争のために必要な物質的条件と社会的勢力をつくりだす」として、労働者の階級的団結や組織的闘争が資本主義の発展の不可避的な産物であり、現象であることを強調している。…… 分散した、個別的な、小規模な搾取は、勤労者をその居場所にしばりつけ、彼らをたがいに分離させ、彼らが自分たちの階級的連帯性を把握することを不可能にし、自分たちの抑圧の原因があれこれの個人にはなく、全体としての経済制度にあることを理解して団結することを不可能にする。これに反して大規模資本主義は、不可避的に、古い社会や特定の場所や特定の搾取者との、労働者のいっさいの結びつきを断ちきり、彼らを団結させ、彼らにものを考えさせ、組織的闘争を開始できるような案件のもとに彼らをおく」
(人民の友とは何か)
レーニンは、マルクスやエンゲルスが労働組合の資本主義の中で誕生する必然性と発展を明らかにしたことを深めています。労働組合の幹部や活動家は、組合発行のテキストやパンフレットでの学習だけでなくレーニンの労働組合の理論を学ばないと経済闘争に取り組めません。
社会民主党綱領草案と解説の著作は、レーニンがロシアの労働者党の綱領の積極性と問題点を明らかにしています。レーニンがこの著作のなかで労働組合の日常の闘争や労働者の団結の意義、階級闘争との関係を触れています。
「この闘争(経済闘争)によって働く人々の大衆は、第一に、資本主義的搾取の方法をつぎつぎと見わけ、検討することをまなび、これらの搾取方法を法律とも、自分たちの生活条件とも資本家階級の利害とも比較考量することをまなんでいる。搾取の個々の形態やばあいを検討することによって、労働者は全体としての搾取の意義と本質とを理解することをまなぴ、資本による労働の搾取にもとづく社会体制を理解することをまなんでいる。第二に、この闘争で、労働者は自分の力をためし、団結することをまなび、団結の必要と意義とを理解することをまなんでいる。この闘争の拡大と、衝突の頻発とは、不可避的に闘争を拡大させ、はじめはある地方のあいだに、ついで全国の労働者のあいだ、全労働者階級のあいだに統一の感情、自分たちの連帯性の感情を発達させる。第三に、この闘争は、労働者の政治意識を発達させる。……闘争は、おのずから、また不可避的に労働者を国家的、政治的問題に、すなわち……国家はどのようにして統治されているか、法律や規則はどのように先行され、それらはだれの利益に奉仕しているかという問題に、つきあたらせる」