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マルクス「労働組合-その過去・現在・未来」

 この著作は、1866年に開かれた、第1インターナショナル(1864年創立、国際労働者協会の別名)のジュネーブ大会の第1回大会に議案の一部です。
 マルクスは所用のために欠席していました。これは、マルクスが出席している代議員に「個々の問題についての指針」の一節にあてました。
 著作は、次のとおりになっています。
①過去
 資本は集積された社会的力であるのに、労働者が処理できるのは、自分の労働力だけである。したがって資本と労働力のあいだの契約は、けっして公正な条件にもとづいて結ばれることはありえない。それは、一方の側に物質的生活手段と労働手段の所有があり、反対の側に生きた生産力がある一社会の立場からみてさえ、公正ではありえない。労働者のもつ唯一の社会的な力は、その人数である。しかし、人数の力は不団結によって挫かれる。労働者の不団結は、労働者自身のあいだの避けられない競争によって生みだされ、長く維持される。
 最初、労働組合は、この競争をなくすかすくなくとも制限して、せめてたんなる奴隷よりはましな状態に労働者を引き上げるような契約条件をたたかいとろうという労働者の自然発生的な試みから生まれた。だから、労働組合の当面の目的は、日常の必要をみたすこと、資本のたえまない侵害を防止する手段となることに、限られていた。一言でいえば、賃金と労働時間の問題に限られていた。労働組合のこのような活動は正当であるばかりか、必要でもある。現在の生産制度がつづくかぎり、この活動なしにすますことはできない。反対に、この活動は、あらゆる国に労働組合を結成し、それを結合することによって普遍化されなければならない。
 他方では、労働組合は、みずからそれを自覚せずに、労働者階級の組織化の中心となってきた。それはちょうど中世の都市やコミューンが中間階級〔プルジョアジー〕の組織化の中心となったのと同じである。労働組合は、資本と労働のあいだのゲリラ戦にとって必要であるとすれば、賃労働と資本支配との制度そのものを廃止するための組織された道具としては、さらにいっそう重要である。
②現在
 労働組合は、資本にたいする局地的な、当面の闘争にあまりにも没頭しきっていて、賃金奴隷制そのものに反対して行動する自分の力をまだ十分に理解していない。このため、労働組合は、一般的な社会運動や政治運動からあまりにも遠ざかっていた。だが、最近になって、労働組合は、自分の偉大な歴史的使命にいくらか目ざめつつあるようにみえる。それは、たとえばイギリスの労働組合が近年の政治運動に参加していること、合衆国の労働組合が自分の役割についていっそうひろい見解をいだいていること、さらに最近シェフィールドでひらかれた巨大な労働組合代表者会議が次のような決議をおこなったことからみて、明らかである。
 「本会議は、すべて国の労働者を一つの共通の兄弟のきずなで結びつけようとする国際協会の努力を十分に評価し、全労働者の進歩と福祉にとって協会が必要欠くべからざるものであることを確信して、本会議に代表を送った各組合に、国際協カヘの加盟を心から勧告する。」
③未来
 いまや労働組合は、その当初の目的以外に、労働者階級の完全な解放という広大な目的のために、労働者階級の組織化の中心として意識的に行動することを学ばなければならない。労働組合は、この方向をめざすあらゆる社会運動と政治運動を支援しなければならない。みずから全労働者階級の戦士、代表者をもって自認し、そうしたものとして行動している労働組合は、非組合員を組合に参加させることを怠ることはできない。労働組合は、異常に不利な環境のために無力化されている農業労働者のような、賃金のもっとも低い業種の労働者の利益を細心にはからなければならない。労働組合の努力は狭い、利己的なものではけっしてなく、ふみにじられた幾百万の大衆の解放を目標とするものだということを、一般の世人に納得させなければならない。
 労働組合は、①(過去)資本の侵害を防ぐ手段の式組織であることー賃金、労働時間、労働条件の改善など経済闘争をたたかうために生まれてきたのです。
 ②(現在)資本に対する当面の闘争に徹しすぎるために、賃金奴隷制に反対する闘いを十分に理解していないことを総括しています。労働組合は、社会運動動や政治運動から縁遠くなっていました。
 ③(未来)経済闘争と労働者階級の解放(資本主義の制度の廃止)という目的のために労働者階級をひろく組織化し行動することを学ぶことです。
 つまり、労働組合は、経済闘争と政治闘争のバランスの取れた闘いと労働者階級の解放の開放の道筋を学ぶ場なのです。