第8回関西建設研究交流集会は、建設政策研究所関西支所主催で7月10日に「災害に強いまちづくりと建設労働者の果たす役割」をテーマに、京都市内の「きよみず」で開かれました。参加者は、団体会員と個人会員を合わせて100人でした。
地元京都生公連・池田建一議長が開会のあいさつをし、片方信也氏(建設政策研究所関西支所理事長・日本福祉大学教授)があいさつしました。
記念講演には、4月25日に発生したJR福知山線事故について関西大学教授の安部誠治氏を招き、「JR福知山線事故が問いかけるもの」と題する講演を開きました。
安倍氏は「JR福知山線事故の直接的契機」は、「運転士の速度超過」と「JR西日本の保安システムに手抜きがあったことだ」と指摘しました。
運転士の速度超過の背景には「技量的な問題(運転士不足を含む)、余裕のないダイヤ(収益第一主義)、日勤教育のプレッシャー」などがあるが、このような「ヒューマンエラーは結果であって原因ではない」と指摘、安全に対するJR西日本の企業体質を明らかにして、規制緩和による競争戦略や人件費削減による技術の空洞化、メンテナンス部門の空洞化現象があり、「同種の問題点は、JR西日本だけでなく、JR各社や私鉄、航空など他の運輸企業、メーカーなど企業一般にも及ぶ問題だ」警告しました。
そして、JR関連の労働組合の事故の対応について、「JR西労組や国労は、JRの安全無視の体質は批判するものの、社員への労務管理である「日勤教育」については、批判していない」ことを明らかにしました。建交労鉄道本部は、資料ないことを理由に態度を明らかにしませんでした。
第8回集会の「基調報告」は、災害に強いまちづくりと建設労働者の果す役割―について荒川隆男建政研関西支所事務局長が報告しました。
分散会は3つに分かれ約2時間半にわたって討論しました。