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堀江正規氏の労働組合運動の発展の観点

 私は、大月書店から発行していた堀江正規氏の著作集を読んでいました。堀江氏は、アメリカの労働組合の幹部やレーニンの「カールマルクス」の引用から日本の労働組合の発展を説明していました。
 「社会の一部分である労働組合運動も──ここでは主として資本主義諸国の労働組合運動について述べるが──社会の成長および発展の基本法則に従属している。労働組合運動は資本主義制度とともに成長したが、資本主義制度の一部分として、階級闘争の法則や資本主義の不均等発展の法則などが条件となっている。たとえば、資本主義の周期的経済恐慌は、歴史的に労働組合に深刻な影響をあたえてきたが、それはたいてい破壊的なものであった。植民地制度は、組合がどんな労働者によって構成されているかという点に消しがたい刻印を押している。労働組合運動が世界的規模にひろがったことは、国際資本主義の成長と関係がある。以上のことなどがその例である。
 労働組合運動にも、その独自の法則がある。全世界にわたって一億四千万人の組合員があり、すでに二百年をこえる歴史をもっている労働組合運動は、偶然的に成長したり活動したりしてきたのではない。労働組合が生まれ、前進し、衰退するのは、たしかめることのできる原則または法則にもとづいている。労働組合運動の歴史の、この基本的な面について十分注意がはらわれなかったことは、労働組合について書かれたものの弱点となっている。」(W・Z・フォスター「世界労働組合運動史』)

 フォスターがどんな意味で、労働組合運動の歴史的発展の合法則性をとらえようとしていたか、ということは、この短い引用によっても明白である。
 フォスターの問題提起のなかには、マルクスエンゲルスレーニン労働組合運動についておいた多くの論文のなかにあるものと共通の思想、つまり労働組合運動についての科学的認識に到達するためには、(そして、そうすることによってのみ、運動の「終局目標」にむかう発展に役だつような、理論的な結論が生まれる)その発展の全過程を、唯物弁証法的世界観のすべての前提に結びつけ、またとくに、マルクス経済学や階級闘争の戦術にかんする理論の助けをかりて観察する必要があるという考えである。
 そして、この点の不十分さにわれわれの労働組合論の弱点がある、というのも、われわれにとってはそのとおりで、われわれがそれをやらないでいると、実証主義や修正主義がその場所をふさいでしまう結果になる。
(堀江正規著「現代資本主義と労働組合運動」 労働組合の理論 第一巻 大月書店 p8-10)
 私は、日本の労働組合の幹部が目先の利益ばかりに追われて、労働組合の発展に目を転じていなかったように感じます。堀江氏の著作は、時代を貫いています。