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ローカルユニオンの諸問題について

 私は、この間新世紀ユニオンと言う無党派の地域合同労組が全労連のローカルユニオンへの批判しています。批判の要旨は、次の通りです。
 今全国で共産党労働組合(地域ユニオン)が多数生まれている。いずれも格安の組合費である。我々が知るかぎり共産党系地域ユニオンは組合費が600円から1000円の格安である。
 新世紀ユニオンの経験で言うなら組合事務所を設置し、ホームページを維持し、専従に給与を支払うことは、彼らの格安組合費では不可能である。共産党の支援を受けたゆえのダンピングと見なければならない。
 新世紀ユニオンには、会社の退職強要に合っているので共産党系のユニオンに加入したが、証拠も集めずにすぐ団体交渉を行い、すぐ解雇を受け入れ、金銭解決しかないと労働者を説得にかかる。なんとかならないか? という相談がいくつも寄せられている。
 雇用を守るノウハウもないのに個人加入のユニオンをなぜ共産党は数多く組織しているのか?それは彼らがユニオンを選挙の票田と位置付けているからである。
 労働者の平均賃金はこの4年間で、年収で109万円も賃下げになっている。したがって生活が苦しい労働者は少しでも組合費の安いユニオンに加入するようになる。その結果どうなるかというと、新世紀ユニオンのような無党派ユニオンが組合費の安いユニオンに奪われ財政面で困難に陥ることになる。
 共産党は大規模小売店規制緩和で中小商店の経営を圧迫していると非難している。その彼らが組合費のダンピングをやりまくり、小さな自主管理労組を解散の危機に追いつめているのである。
 それでも彼らが労働者の雇用を守るなら許せる。しかし彼らは雇用を守るノウハウを持たずにただ選挙の票田と位置付けて数多くの地域ユニオンを組織しているのだ、彼らはただ経営者に少しばかりの金と引きかえに解雇を受け入れているだけなのである。
 私は、労働組合は経営からも独立し、政党からも独立した存在であるべきだと考えている。政党が選挙の道具と位置付けた「労働組合」を格安組合費で組織することは、日本の労働運動の発展という点から見れば、健全な自主管理労組を圧迫し、解散に追い込むことになりかねないのである。
 共産党の格安組合費のユニオン粗製乱造の狙いは、客観的には日本の労働運動を破壊する目的を持っているというべきである。
 私は共産党が真に日本の労働運動を発展させようとするなら、地域ユニオンは独立採算で、他のユニオンを圧迫しない形で行うべきであると考える。
 彼らは新世紀ユニオンに偽装加入し、資料を入手し、その規約を参考にして地域労組を手っ取り早く作るという詐欺的手法まで取っている。日ごろ民主化を口にする政党なら組合費のダンピングで他のユニオンを解散に追い込むような手法は取るべきではない。少なくとも公認政党が反社会的、道義的に許されない形で労働組合を組織する誤りを指摘したい。共産党の反省をうながしたい。

 確かに全労連が推奨しているローカルユニオンは、市町村ごとやいくつかの市町村の連合に対応しています。
 ローカルユニオンの事務所が、自治労連職員組合や全教の教職員組合、民間の労働組合の事務所などの内部で設けています。主な闘いが、電話相談や地方労連からの紹介、議員の紹介を通じて会社との団体交渉で進めています。団体交渉は、裁判や地方労働委員会で争うための証拠を押さえるためです。
 団体交渉で解決できる闘いは、そう多くありません。