今年の最後の国会を受けて

　今年最後の臨時国会は、自民党やみんなの党、公明党が①小沢一郎氏への政治資金規正法違反事件の国会での証人喚問や②仙谷官房長官、馬淵国土交通大臣の尖閣諸島での国境紛争の対応を理由に国会の審議のボイコットないし審議拒否を強めています。

　国会議員の歳費の日割りへの変更と２０１０年度補正予算案が可決・成立しました。国会議員の歳費の日割りへの変更は、全会一致で可決・成立しました。２０１０年度補正予算案は、与党と社民党、新党改革の賛成多数で可決・成立しました。仙谷官房長官、馬淵国土交通大臣への問責決議案は、社民党と与党を除く野党の賛成で可決しました。

　今回の国会は、郵政会社関連法案と労働者派遣法改定案の成立が最優先になっていました。しかし、自民党や公明党、みんなの党、たちあがれなどの日本の野党が、尖閣諸島での日本と中国の国境紛争をめぐって沖縄における日米共同の有事体制の強化と国境紛争での動画によるプロバガンダ、補正予算案の不成立を狙ってしました。日本共産党も、自民党や公明党、みんなの党、たちあがれ日本の野党による尖閣諸島によるプロバガンダに同調しました。
　野党による国会での審議拒否や採決へのボイコット、プロバガンダへの共同歩調は、アメリカ従属政治への同調とアメリカにおけるユダヤ金融によるアジア戦略への共同を示しています。民主党は、生活第一と対米自立の政治のビジョンから新自由主義による政治戦略に切り替わりました。民主党の切り替わり方が、自民党や公明党、みんなの党、たちあがれ日本との連立への道へと進みます。

　２０１０年度の補正予算は、①後期高齢者医療制度の負担軽減と②地域医療再生基金の拡充、③食糧自給率向上のための整備、④中小企業への資金繰り支援、⑤エコポイント制の基金積み増し、⑥学校施設の耐震化の促進など医療、高齢者、教育、農業、産業に重点的な積み増しになっています。この予算は、不満な点もありますが２０１０年の税収の予測を下回ったためにやむを得ません。
　菅内閣の下の補正予算は、自民党政権時代の聖域の個別予算（政府開発援助や米軍基地駐留費、自衛隊の防衛費、特殊法人への天下りの人件費など）への切り込みの不足や財務省主導の予算査定で進めています。
　予算の本当のカットは、①大型の公共事業、②独立行政法人への天下りに伴う役員報酬、③米軍関連の思いやり予算を中心に行うことです。財政の収入面では、①特別会計での埋蔵金などの繰越、②大企業や利益を上げている企業への法人税の引き上げで財政赤字を少なくできます。
　私は、政権交代の一年余りの成果を受けて①アメリカ合衆国の従属から自立への道筋と②労働者の生活の再建、③住民の生活と地方財政の健全化の一体、④住民本位の地方自治体の確立、⑤自民党政権復活の阻止、⑥景気回復と国家財政の強化の一体化のきっかけ作りのためになるようにサポートしていきます。