レーニンの著作の哲学ノートは、ヘーゲルの弁証法をかなり突っ込んで弁証法の本質とヘーゲルの弁証法の弱点を明らかにして、唯物論と弁証法の融合を図りました。レーニンは、ヘーゲルの論理学とその他の論理学との比較をしたうえで次のことを説明しています。
論理学は、思惟の外的諸形式にかんする学問ではなくて“あらゆる物質的、自然的および精神的事物”の発展、すなわち、世界とその認識のあらゆる具体的内容の発展の諸法則にかんする学問である、いいかえれば、世界認識の歴史の総計、総和、結論である。
つまり、ヘーゲルの論理学は、従来の論理学(形式論理学)のように形式的な人間の思考を対象とするのではなく、世界(自然や社会、人間の生活)とその認識の具体的な内容の発展の法則に関する学問とみなしていることです。
論理学は、認識についての学説である。認識論である。認識は人間による自然の反映であるが、それは単純な反映ではなく、一連の抽象の過程であり、諸概念、諸法則などの定式化、形成の過程であり、人間による自然の認識の緒契機、これが論理学の諸カテゴリーなのだ。
論理学と人間の認識は、マルクス主義者がヘーゲルの論理学との関係で自然や社会を捉えるのことに必要なのです。ヘーゲルは、レーニンから見ると事物(現象、世界、自然)の弁証法を概念の弁証法を作り変えたのです。レーニンは、ヘーゲルの弁証法の特徴の有論から慨念論にいたる論理学の研究をして、世界の一般的運動法則と抽象的なカテゴリーから具体的なカテゴリーへ至る認識の発展を見つけました。